塩男、、、達
〜AFRICA塩男鎮魂歌ーコンプレッサー編1〜



さて、前回からの続き “CONGO大作戦!” だが、結局の所、失敗に終わったのだが、俺自身は無事に愛車“ムゼーランドゥ号”と共に
往復する事が出来、お目当ての太鼓も沢山持って帰って来れた。道中のレポートは既に他に書いてあるので参照頂きたい。

失敗の理由は結局、荻野さんが金塊をゴマにすら持って来る事が出来なかったのだ。この後、彼は約1年間に及ぶ暗黒の時代を迎える事となる。。。

彼への出資者であった日本人も 「ヤバい金持ちだ」 と云う事が分かり、別件で動いていたおTさんも手を引き、日本からの投資も激減し、、、
根っからの博打好きが縁で、こちらも博打好きの平島さんと云う人の元に身を寄せる事となる。
お互いが博打好き=カジノで繋がった縁だから、「デカい金儲け」 「ボロい金儲け」 のハナシに平島氏が乗らないワケが無い!!!

途中、スーダンで砂金の買い付けをしている自称アラブ系タンザニア人との取り引き、この時も懇意にしている平島氏に頼めば良いのに、
何故かおTさんにその真偽を確かめてくれと依頼し(苦笑) 結果、この砂金親父も詐欺師だった事が判明する。

その男は確かに身なりの整った怪しい感じで、Kg単位でしか取引をしないと云う。
「この砂金の純度は物凄く高い、嘘だと思うならば持って行って勝手に自分で調べてみろ!」 と云う啖呵を切られたので、
荻野さんは例の “パーフェクト・ブラス” でお世話になった、政府機関の鉱物関係のもとへ走り、その純度が相当高いことを確認していた。
しかし、塩男の胸騒ぎ?なんだか胡散臭いと云う事で、実際の取り引きをおTさんに任せた。

ナイロビの中心から少し外れた住宅街、俺は先に少し離れた場所で先入りし、周囲の不審な人物を見張る。
暫らくするとおTさんとその胡散臭いアラブ系タンザニア人が現れた。テラスで飲み物を注文し会話を交わしている。その後、携帯で
「特にヤバそうな感じもしないし、、まあ、帰ってよろしい」 と云う事で俺は現場を離れた。。。。

最終的に、この男の詐欺がバレたのは、最後の最後の土壇場で、大量の砂金らしき山から「一杯、二杯、、、」と急いで取引分を袋に詰め始めた所で
賢いおTさんは “これ一杯で丁度○gm” と云う自分で用意した容器を取り出し 「悪いが、最後にもう一度だけその砂金の重さを計らせてくれ」 と頼むと
「何だとぅ!この間、持って行った砂金で純度は計ったはずだ、失礼な!! 俺はもう帰る!!」 とさっさと逃げ出してしまった(笑)
テスト用が本物でも、実際に買い取る分の砂金が偽物じゃあ、、、どの詐欺師も同じような手口だと云う事だ。

若し、本物の金があれば、それを元にして幾らでも荻野さんのような人を騙す事が出来る。これはダイヤ等の鉱石でも同じ。
まあ、荻野さんを窓口として、次から次へと色々な詐欺師に出会えたのは面白かった。。。彼は一時期ナイロビに住む詐欺師たちの間で、
「絶対に騙されるカモ」 として有名だったに違いない。まあ、その彼自身も投資者達の金を勝手に使いまくっているんだから同じことか?
そしてその投資者達も後ろ暗い金を投資するワケだから、、、詐欺師同士で汚い金が回っているだけなのかも知れない。

時々、チョボチョボとこう云った詐欺師の話しを耳にするぐらいで、話しの始まりである 「デカい儲け話」 「ボロい儲け話」 は中々実現せずに
平山氏への借金が溜まる一方の荻野さん、既に引き返せない状態まで貸してしまった平島氏、この二人の約1年に及ぶ長い憂歌(ブルース)が始まった。。。



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