NGOMAの世界のはじめの一歩


僕が20歳の頃お世話になったBANDはトリオ編成で“スタンピート” と云う。

今も活動しているのかな?

兎に角、フロントの二人はスケールからレンジから超弩級で怪獣のようだったから

一般人の僕としては演っていて物凄く楽しいし学ぶ事が山ほどあったけど。。。

辛かった。。。(苦笑)

肋間神経痛で病院に駆け込んだ時には本当に「心臓の病気!?」と思ったし

僕が辞めた後も、次々と色々なドラマー達を廃業に追い込んでいくので

僕はこのバンドを「終点道場」 と呼んでいた。

その後、飛び込んだNGOMAの世界も「無間地獄の終点道場」みたいなモンだったので

僕も色んな太鼓叩き希望者を潰してしまった

最近は本当に教えるのが上手になったと思う。。。つくづくそう思う。

それが意味するのは“奏者・演者”として二流以下に落ちただけなのかも知れないが、、、まあ、仕方がない。

さて、教える事が上手になった過程を全て書くのは長ったらしくなるから止すとして

DjembeでもLimbaでもNyatitiでも、、、楽器は何でも良いが、その人がNgomaを学び始めたとして

一番はじめの一歩は「自分と師匠との違い」に気付く事だ

「ンなこと、あったりめえじゃねぇ〜か、バカ!」

と思うかも知れないが、実はこれが凄く大事なのだ。

“果たして僕が今見ている物は本当にそこに存在するのか?そしてそれはあなたが見ている物と一緒なのか?”

何て言うレベルのハナシじゃなくても、これこそ“教える側”が絶対に教えられない事の一つなのだ。

だから

「理解る奴ぁ言わなくても分かるし、理解らねぇ奴ぁどうやっても理解らん!」 となる。

しかし、ここが最初のステップで無間地獄の入り口なのだな(笑)

例えば、僕は再びケニア人の子供達に太鼓を教え始めたのだが、選んだ太鼓はルオ族の太鼓で、何故?その太鼓なのか?は

他に詳しく書くとして、簡単に説明すると、凡そ殆どの太鼓を学び始めた人は、まず最初に「音色のコントロール」を学ばなければならない。

大人で根気のある人は好いが、子供の場合はまず100%我慢が出来ないし、教える僕も我慢が出来ない(苦笑)

僕はこういった理由で手で叩く太鼓の殆どが子供達には向かないと思っている(人気のDjembeを含めてね)

しかし、このルオ族の太鼓は教える側がキチンとチューニングしておけば、初心者でも手軽に“楽しい”リズムの学習を始める事が出来る。

簡単なルール“太鼓の真ん中を叩くこと”と“叩いたバチをリバウンドさせる”を守るだけで。

実際にはバチを使ったこの太鼓も色々と技術が要るのだが、取り敢えずは考えんでも良い(笑)

そして、僕は絶対に手を抜かない(ここが大事だ)暫らくすると交代で太鼓を叩いているうちに“理解る子”は

「なんか、オレの叩いているのと違うなぁ、、」と気づき

そのうち「なんでだろ?」 となる。

肝心なのはこの事に気付いた子を見逃さない事だ。何故ならばこの子ははじめの一歩を踏み出したのだから。

後は、ドンドン上達する可能性がある。ただ、僕はこの太鼓に関して専門ではないし、個人的にそれほど好きではないので

この太鼓のコツは“少し”しか教えてあげる事が出来ない。でも、それで良いのだと思う。

天邪鬼なうえにお節介でせっかちな僕には。

聞いた話では、ハイチの太鼓名人“チローロ” さんは教える時、学生には見えないように壁を挟んで隣の部屋で“音”だけを聞かせ

その奏法は学生に教えるも何も“見せなかった”らしい。曰く「手の大きさも、厚みも、腕の長さも全部違うから」だそうだ。

「スゲェなあ!」と思うし、若しかしたら理想の教え方・芸の伝え方かも知れない。

聴く力・感じる力のない奴に学べる筈がない。



こんな当たり前で、基本中の基本が分からずに僕はいたし、世にいう音楽学校の職業音楽教師の殆どが耳音痴なのが現実だから

教わる方はつまらん奏者ばかりになってしまう。

僕が夢中になった奏者は有名無名を問わずみんな“マジックタッチ”や“マジックトーン”を持っていた

強烈な個を持つ人達

多分、あなたがもし一度でも誰かの演奏にビビビッときたならば、それは右手はここで左手がここといったレベルじゃないよ。

そういった事は技術じゃない

そこを勘違いしてしまうと、一生辿り着けないんだな。

まあ、そういった連中の多いこと!!

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