夢の競演 “キガンガ5連発!!” 其の一

序章

〜キガンガとはギリアマ漢の粋である〜


古き良き時代、クソッタレ文明化の波が押し寄せる前のハナシ

ギリアマ族のNGOMA者として生まれた漢達が、その漢としての粋を競い合うマシンダノがあった

その中の一つとして“キガンガ”と云うNGOMAが生まれた。

踊り手は一人、大勢の期待と歌声をバックにムガンダと共に登場し

短い漢の粋を

相方を務める太鼓叩きと丁々発止のやり取りの中

人々に見せつけ去っていく

実際のマシンダノでは二手に分かれたグループが一斉に始め

集まった聴衆はより凄いNGOMAのグループへ引き寄せられる

負けを悟った方のリーダーが自らNGOMAを止めさせ

相手のリーダーに手を差し伸べたと云う。。。

何と云う自然で美しい戦いであろうか!

想像してみて欲しい

当時の聴衆達の目や耳がどれだけ肥えていた事か!

人は皆

別に太鼓が叩けなくても、踊れなくてもNGOMAには参加できるし

NGOMA者にも成れる。

が!

教育されてしまった我々の芸に対する感性は情けないほどに薄っぺらくなってしまった。

今後、確実に消えていくであろうこのNGOMAを、本気で愛し感動していた我々は

生ける伝説−ランドゥ・ンザイ翁−を頂点とし

マーシャ・イハ翁、ケア・チャイ翁、カヒンディ・ペンベ氏、カリサ・マケンジ氏

5人の世代の違うキガンガ名人を一堂に集め

そのキガンガ漢っぷり、腕、粋を競って貰った。。。

伝統的には世代の違う者同士が“キガンガ”で勝負することは有り得ない。

そこに我々外国人という妙なスパイスが加わり

現実の世界では起こり得ない“夢の競演”が実現した。

これはその記録である。


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