*ミジケンダってなに?
ウィキペディアによるとMiji=村、Chendaが変化してKenda=9つと云う意味で
ディゴ族/チョニ族/カンベ族/カウマ族/ドゥルマ族/リベ族/ラバイ族/ジバナ族/ギリアマ族という
殆どがケニアの海岸地方に住む9つのバントゥ―系民族を指し、彼らはシングワヤと呼ばれる
伝説の地から各カヤへ移動してきたと云う共通の起源伝承を持っている事から、一括りにされているが
個人的にはその説は相当怪しいと思っている。NGOMA的には西ケニアのルオ族やルイヤ族に並ぶ
ケニアを代表するような豊かなNGOMAを沢山保持する民族でもある。
*ブンブンブってどんな太鼓??
ブンブンブとはミジケンダ全般でみられる手で叩く3本足の太鼓で
名前の由来はインド洋がブゥーン・ブゥーンと岸壁に当たる音が元らしい
又、その近くで(沿岸部)で生まれた太鼓と云う意味もあるらしいが
でも、カヤ・ギリアマって相当内陸だよなぁ、、とも思う(???)
NGOMA資料室はNGOMA実践者主体の資料室なので、そういった学者的な
薀蓄は「知らん!」か、「そういう説もある」程度にとどめておこうかな?
まあ、確かにカーンとかトンッ!と云う音よりブゥーン・ブゥーンと鳴る太鼓ではある。
皮の張り方はチャプオと同じく2対の木で作った輪と紐を使い
ある程度テンションを調節できるタイプと杭を使って打ち付けるタイプがあり
勿論、後者は火で暖めるとかしないとテンションを変える事が出来ない。
これは多分、全般に複数のチューニングが異なる太鼓を一人、若しくは数人で
叩き、メロディアスなアンサンブルを主体としたNGOMAが多いラバイ・ドゥルマ・ディゴ族達と、ムションドと言う
非常に個性の強い武器?を持ったギリアマ族の違いと言えるかも知れない。僕はセンゲニャに代表される
メロディアス・綿密なアンサンブル系には縁が無いので、その辺は日本唯一のセンゲニャ叩き大西匡哉
に任せるとして、ギリアマ族のブンブンブはその多くのNGOMAでムションドと言う太鼓の号令を受けて
アンサンブルの要所(アクセント)で爆弾を落とすような使われ方が多い。
従って、あまりお喋りな太鼓ではないし、勿論、ソロ楽器としては最低だ(苦笑)
音量・叩き方もブッ叩く感が強く、GONDAやMABUMBUMBUではその爆音炸裂と云う感じだし、
NGOMA ZA
PEPOと呼ばれるチャプオを使う比較的アンサンブル色が強い
NGOMAでも、矢張り、メインの太鼓ムションドを使ったソロのアクセント的(ソロの区切り)に使われる事が多い。
複数のブンブンブを並べ、繊細なタッチが生むメロディアスなブンブンブ群とムションドと言う問答無用の太鼓とを
組み合わせた一種の理想とも云えるアプローチを生んだのは“カズング・マザンバヒ氏”
というディゴとギリアマの
混血太鼓叩きだ。彼の出現以降、他の太鼓叩き達もこぞって真似をしたが
矢張り、生粋のギリアマ族達は、ンゴマ・ンネ的なタッチに欠け、従って同じように大小のブンブンブを叩くが
音色の豊かさがなく
“それじゃあ、別にブンブンブは1つ若しくは2つで良いんじゃない?”
と思えるレベル止まりであり
現在も先のカズング氏が唯一孤高の存在で後続の叩き手達とは数万光年離れている
(勿論、彼らは更にタッチの難しいムションドを相当巧みに操れるのだが、、、)
そんな脇役的な欠点の多い太鼓だが、それらを帳消しにするほどの魅力がある太鼓&NGOMAでもある(と思う)
次は、そんな使い勝手の悪い片輪の太鼓を長い間叩いてきた者として(苦笑)
個人的な体験も織り交ぜながら
この太鼓の長所と短所を掘り下げ、その魅力について述べてみたい。
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皮をベタッと張りっ放し型のブンブンブです
サイズは小型から超大型まで色々あるが
下記のチューンナブルよりも大型が多い。
ンゴマ・ンネ等で使われるチューンナブル型の
ブンブンブはサイズが大体一緒で上記のモノに
比べると小型が多い。
張りっ放し型は穴を3つ開けそれを縒って
杭で留める。最初杭のアタマだけ引っ掛けて
ある程度乾いてからグッと押し込むとキマる。
チャプオの要領で木の輪2本を使い皮とサイザル紐を
留め、この木のリムを叩いてチューニングを上げる。
う〜ん、素晴らしい知恵だ!!
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