*ガンダ族とは?
現在のウガンダ中南部にあったブガンダ王国の民族で、現在も文化的指導者として国王が居る。
ウガンダ共和国は、他にもニョロ族、トロ族、ソガ族等、国王が居る国でもある。
語族で括ると所謂バントゥ―系で、首都カンパラに多く住んでいる。
この各王国の素晴らしい宮廷音楽家達の演奏はヒュートレイシーのCDシリーズ
“Royal
Court Music from Uganda 1950 & 1952”で聴けるので是非、購入されたし!
尚、一般にスワヒリ語が通用するのはジンジャまでで、首都カンパラのガンダ族達は
自意識が高いのでガンダ語、若しくは英語の方が重宝する。
*バキシンバとは??
バキシンバとはガンダ族の手で叩く大きな太鼓で、横から見るとダイヤモンド型の形をしており
打面と窄まった下側を広く皮で覆い、打面と下を覆っている皮とは皮紐で繋がっている。
皮はぶ厚い牛皮を用いる。因みに、この手の作りの太鼓はウガンダ国内の他の民族も用いるし
ビクトリア湖沿いのタンザニアの民族も使う(何族かは現在調査中)
この太鼓の職人は技術の高い人が多く、姿形も美しく出来上がり、お土産用に更に凝ったデザインを
施した太鼓も売っているが、時々、ワザと剃らないで残した美しい毛皮が災いし
目も当てられない状況になる事がある。その原因は通称
“毛喰い虫”
だ。
成虫は小さな蛾で、この蛾の幼虫が太鼓の毛を食い荒らす。爆発的に繁殖すると、ナカナカ根治が難しくなるので
毛のついた皮を使った太鼓のメンテは思ったよりも大変だと思って欲しい。
対策としては天日干し等があるが、矢張り、一番イイのは毎日叩く事。
この虫は放ったらかしにした太鼓にしかつかないのだから、若し、この虫が発生したら、持ち主の責任だと云う事になる。
僕も以前、知人の家へニドゥオンゲを取りに行ったら、暗く湿度の高い押し入れに入れっ放しになっていたので
この毛喰い虫が爆発的に繁殖し、酷いありさまだった。ブドウのように太鼓の側面に蛾の繭が出来ていて
大体は落とせたが、全て落とし切れず、持ち帰った太鼓から我が家の太鼓にも寄生し始めて
ある程度根治するのに凄い時間が掛かってしまった!うち二本は使い物に成らなくなってしまったし、、、
兎に角、自宅で見慣れない小さい蛾を見かけたら、一度、太鼓のチェックを勧める。
また、この太鼓は皮張の後に、両面の皮を繋ぐ皮紐を使ってテンションをかける事が出来る。
キチンと張れば、梅雨時の日本でも十分通用するぐらい張れるし、本来、バキシンバは
この太鼓の特徴を活かしたハーモニクス等を多用するので、結構高いピッチまで張らなければならない。
しかし、日本で見た事のある数少ないバキシンバは、皆ローチューニングで
これではバキシンバとしては使えず、同じ太鼓だが役割の違うエンポニになってしまう。
そもそも、皮の張り方も知らない邦人業者が取り扱わなければ良いのだが
向こうに言わせりゃ「大きなお世話だ!」と思うので、ここでは皮の張り方を紹介する。
必要なのは木製の楔、大中小あればなお良い。それとトンカチと千枚通しかな?
最初は、出来るだけ太い楔を皮紐の始めの所から、紐の内側に打ち込んでいく。
楔が内側を通ると楔の太さ分皮が張り、通り抜けた後はその分だけ皮紐が緩んでいる。
それをグッと手繰り寄せていけばよいのだ。皮紐は縒ってあるので、一定に細かく瘤となっており
そこが引っ掛かっているので、Djembeのようにスグ戻らない。只、緩んだ分だけ手繰って戻していく。
一周する頃には結構な量の皮紐が余り、打面も結構なハイピッチになっている筈だ。
これで数日、叩きまくって、また緩んできたら締め直す。段々と楔も小さいモノにしていき、
最終的には締め直す必要がなくなってくるのだ。
途中で皮紐を足す時には、片側に穴をあけ、もう片側に切り込みを入れ穴に通した後に
そこを引っ掛ける。こんな簡単な事だがこれで良いのだ。
結ぶよりも確実で無駄が無い継ぎ方だと思う。
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中型の良質バキシンバ、ウガンダの師匠が
フランス文化センター主催のイベントで
ナイロビ招聘時に使用していた太鼓。
実際のバキシンバは更に高さも口径も多きなくなる。
勿論、それを鳴らし切り、使い切るのは難しい。
ナイロビは高地なので、このまま使用出来るが
日本で使うには後2〜3回の皮の締め直しが必要だ。
ブンブンブとの大きさの比較
どちらも、中型程度の大きさで、実際に熟練者が
使用するのは更に大型になる。
どちらも美品だ(値段は要交渉)
よく似ているがこれはタンザニアの
ビクトリア湖周辺の民族の太鼓だと思われる。
まあ、モノ自体がお土産物レベルなので
その辺を差し引いて参考にして貰いたい。
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